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zoom RSS 「村上海賊の娘」は歌舞伎芝居だ

<<   作成日時 : 2017/04/28 05:49   >>

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 小説「村上海賊の娘」(和田竜著)を読みました。5月1日から5日まで瀬戸内を旅するので、そこが舞台の小説でも読もうと思い、あまり考えも無しに手に取ったのですが・・・、やられてしまいました。

 物語は、織田と毛利が大坂本願寺(後に石山本願寺と呼ばれる)を巡って戦う「第一次木津川の戦い」の発端から大詰めに至るまでを、毛利方の村上水軍、織田方の泉州真鍋水軍を軸に描く本格的な「軍記物」です。
 主役は、能島村上海賊当主の長女村上景(きょう)・・・、対するラスボスは泉州の若き海賊の棟梁真鍋七五三兵衛(しめのひょうえ)です。

 筋立ては多くの古文書や史実を検討し、リアルな軍記となっているのですが、描写は荒唐無稽・・・、恰も歌舞伎芝居の豪傑物やワイヤーアクションを多用した最近の時代劇映画の様!久々に「血沸き肉躍って」しまいました。

 例えば、ラスボス真鍋七五三兵衛が息子の前で敵をなぎ倒す描写!

 「見とけよ。これがお父の太刀筋じゃ」

 吠えると、振り向きざまに畳んだ腕を一挙に伸ばし、電光石火の早業で大太刀を真横に薙いだ。闇夜に煌めく三尺五寸の大太刀は、刀を振り上げた敵の首を両手もろとも断ち切った。大太刀がぴたりと止まったその後には、五つの首と十本の腕が跳ね上がり、同時に血の雨が降って来た。・・・一部引用

 これでは、歌舞伎十八番「暫」である。

 戦国の数々の戦の中で、信長と本願寺の暗闘は有名ですが、その長きに渡る戦いのなかからほんの数日間の合戦を1000ページにも及ぶ長編にまとめ、それでも飽きさせない作者の力量には舌を巻いてしまいました。流石「本屋大賞」!


 しまなみ海道の旅が楽しみになりました。

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