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zoom RSS 歴史修正主義者の扱い方。映画「否定と肯定」

<<   作成日時 : 2018/01/02 23:19   >>

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 この作品は、【アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件】という実際の訴訟事件に基づいた法廷ドラマである。

 ナチスによるアウシュビッツ等で行われた所謂ホロコーストを、無かった事とする「歴史学者」アーヴィングが、彼を批判しホロコーストの真実を訴えた歴史家リップシュタットとその本を出版したペンギンブックを相手取って起こした名誉棄損裁判だ。

 提訴された裁判所はイギリス・・・、イギリスでは、名誉棄損に関しては、訴えられた側に挙証責任が生じるという日本やアメリカとは別の法体系を持つ。

 リップシュタット・ペンギンブックスの法廷チームはどのような作戦で裁判に挑むか?

 リップシュタット・ペンギンブックスの法廷代理人は、実際に収容所の跡地に赴き、当時の収容所の図面を専門家に評価にさせ、生存者の声を聴き、リップシュタットの著作は勿論、訴えた側のアーヴィングの日記や講演映像を丹念に検証する。

 そして、証人となりうる生存者(被害者)は勿論、被告であるリップシュタットにも一切証言をさせない戦術にでた。

 この作戦は凶と出るか吉と出るか?



 そして、この歴史家対歴史修正主義との闘争は、同じような現代の状況も想起する。・・・そこは、憲法学者の木村草太先生がパンフレットの中でしっかり解説してくれている。
 
・・・・以下引用

 「あ、これ知っている」 映画を見ながら、私はそう思った。 リップシュタットの裁判の詳細を調べたことがあるという意味ではない。もっと生々しく、「いま、これを体験している」という意味だ。 「ホロコーストはなかった」との主張は、「地球は平らだとの主張と同レベルに荒唐無稽な議論だ。ところが、それを平然と主張する人が現れる。彼らは、アカデミックな専門ト レーニングを受けた学者として著名なわけではない。

 しか し、政治家や小説家として有名だったり、別の分野の大学教 授だったりする。本人の知名度や大学の権威のせいで、荒唐 無稽な主張が、いつの間にか一般の人にも広がってゆく。日本でも、南京大虐殺など、日本軍の残虐行為を否認する主張についてよく見られる光景だ。

 これは、歴史学の分野に限らない。筆者の専攻する憲法学 でも、 「憲法24条は同性婚を禁止している」とか、「最高裁判例は、日本政府が集団的自衛権を行使することを認めた」といった嘘が、著名な評論家あるいは政治家の口から平然と語 られる。

・・・・

 2015年夏、集団的自衛権行使容認の合憲性をめぐり、日本の憲法学者の見解は、違憲9対合憲1程度に分かれたと言われる。しかし、1対1の割合で「両論併記」するメディアも多かった。議論の質や比率を無視した「両論併記」は、公正でも中立でも誠実でもない。

  私は当時、集団的自衛権の行使は合憲だとする論拠をネッシーに例え、「ネッシーを探すよりも、 『ネッシーはいると主張する有名人を探す方が簡単だ」と解説した。ネッシーがいる証拠を示せなくても、ネッシー学者の主張を毎日間いて いれば、大衆はネッシーの存在に親近感を覚えるようになる だろう。メディアには専門家を称する人々の主張内容を検証 し、取捨選択するするリテラシーが求められている。

  映画の結末において、 リップシュタットは裁判に勝った。 しかし、予期した通り、アーブィングは裁判の正当性をも否 認し、メディアで荒唐無稽なネッシー学説をまくしたてる。

  ネッシー学説を喝采する聴衆がいる限り、販売部数や視聴 率あるいは広告収入を追い求めるメディアは、ネッシー学説 を言論空間から追い出さないだろう。こうした現象を止めら れるのは、一般の人々だけだ。一般の人々の知的誠実さが、ネッシー学説に敢然とNOを突き付けられるか。社会の未来 は、一般の人々にかかっている。


・・・・パンフレットより一部引用

 全くその通りである。

 歴史修正主義者は、殺された人の数、業として自発的に売春を行っていた人間の存在、誤りが証明済みの報道等々を使って、全てが無かった様な主張をする。しかし、殆どの場合、修正主義者はロクな取材もインタビューもしていない。

画像

 
 リップシュタット先生ご本人。そして、木村先生との対談です。

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http://cinefil.tokyo/_ct/17128359

 余談ですが、本日の映画館、TOHOシネマズららぽーと横浜のスクリーンは、ゆったり見ることが出来るプレミアム・ルームでした。・・・最高です!

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