歌舞伎「天守物語」

日本語が美しいのか?大和屋が美しいのか?恐らく、美しい日本語がうつくしいひとの口から発せられと、ひとしおなのであろう。

白鷺の天守の上から、人間を見下していた富姫が、涼やかな若侍に出逢い、一発で「堕」ちてしまう。冷たい魔性の女が「帰したくない」と、すがる。その魔性の女が坂東玉三郎である以上は、「彼女」を落とした男は、このおとこしかいないであろう。江戸歌舞伎随市川の海老蔵である。

本来アンコールのない歌舞伎であるが、江戸時代の演目では無いから其処は鷹揚に、期待を込めて拍手を送ると、しっかりと答えてくれた。唸るような拍手の嵐。感動の時間!

ストーリーは、古い言い回しを使えば「伝奇ロマン」。魔性の女は、冷たく、残酷で、そして何よりもキュートだ。特に、猪苗代から、ただ「手鞠」をするために、猪苗代の城主の生首を手土産にやって来る亀姫との「掛け合いは、誰が相手役でも飛びきりキュートだ。目の前に、史上最も可愛い人間国宝が居る!

さて、後半の成田屋との絡みである・・・、確かに成田屋はその任に最適のキャストであるが、主導権は大和屋だ。これは、如何に随市川と言えども仕方のない処だ。ここでは、海老蔵の極上のオーラで玉三郎が輝く。

次に衣装である。富姫の打ち掛けが美し過ぎる。典型的な赤姫である亀姫の衣装と比べて、その気品の高さと妖艶さは抜きん出ている。

脇役も難は無い。要するに、澤瀉屋一門という土台の上に成田屋と大和屋が城郭を築いた訳で、安定感は抜群ということだ。

 ここ十年で一番力を込めて拍手をした。


最後に少し難を・・・、大団円で、追い詰められた富姫と図書、ここで侍方が獅子の置物の謂れを説明しだす。緊張感を削ぐ演出である。確かに、右近・中車という看板の登場なので台詞を振らなければ行けないのだろうが、不要だと思う。

何にしても、此からも100年200年と続いて行く演目だと思って良いだろう。

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