7月大歌舞伎「修善寺物語」など

 7月大歌舞伎夜は、先ず澤瀉屋の右近丈の「悪太郎」で開幕。猿翁十八種の一つ「悪太郎」は澤瀉屋の芸である。当代の猿之助さんが立つまで、病気療養中で親方を欠いた澤瀉屋を率いていたのは、右近さんだった。流石に踊りの達人、可笑しみに満ちたこの演目を、豪快に、老獪に、楽しげに演じる。通常、時代物・踊り・世話物の配置が一般的だが、この後に控える二つの演目が、物語を主体とするものだけに、順番は納得。

 二つ目は岡本綺堂の人間劇「修善寺物語」である。鎌倉二代将軍頼家と、面打ち師・夜叉王の物語であるが、二代将軍の哀れな末路を描くのでも、弓取り(武士)の世界の果敢無さを描くのでも無く、まして面打ち師の職人としての心意気を描くのでも無い。描くのは、夜叉王の心の闇・・・、狂気である。歌舞伎の世界に足を踏み入れて間もない中車さんではあるが、既に看板役者の風情が漂う。勿論、所作事まで熟す本当の歌舞伎役者には及ばないのであろうが、この舞台での見応えは十分。流石の舞台であった。

 
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