N.Y.の「怪談 乳房榎」(WOWOW)

2014年7月にNY・リンカーンセンター・フェスティバルで上演された「怪談 乳房榎」です。

 勘三郎さんが行った2回のニューヨーク公演と比べて、本編は原作に忠実に、海外公演らしさは幕間(まくあい)で・・・、と云う、メリハリの効いた良い舞台でした。

 (幕間で、客席に雨合羽を配る時の「キープ・ユア・プラダ」には笑えました)

 勿論、勘三郎さんの・・・、英語を交えたり、大詰めでニューヨークの警察官を出したりした「夏祭浪花鑑」などは、彼らしいサービス精神旺盛な舞台で好感が持てるものでした。
 一方、当代の勘九郎さんの演出は、奇を衒った処が無い、まじめな人柄が出ていて、これも良かったです。

 中村屋と澤瀉屋は、オーソドックスな歌舞伎のスタイルを壊して行く宿命を持った存在だとは思うのですが、勘九郎さんも猿之助さんも、良く言われる「守破離」・・・で言えば、未だ「守」と「破」の中間に居るような気がするのです。
 その意味では、N.Y.公演とは言っても、守るべきところはしっかりまもって、少し壊すとう態度には好感が持てるものでした。

 ニューヨーカーの評価は・・・、以前の私の日記で・・・

 【7月9日】
 【Hovering Ghost, Plunging Water】(ニューヨーク・タイムス)

http://www.nytimes.com/2014/07/09/theater/a-kabuki-drama-at-the-lincoln-center-festival.html?ref=arts&_r=1

「ゴーストは漂い、飛沫は舞う」・・・、と言ったところでしょうか。

・・・Presented by the venerable Heisei Nakamura-za company, a theater whose roots date back several centuries, the production manages the nifty feat of blending Kabuki tradition with contemporary innovation.

先ずは、中村座への最大級の賛辞が有りました。

そして、
・・・To cite just one example, during a climactic scene in which Shosuke enters a temple to announce the grievous news that Shigenobu has been killed (he knows because he was an accomplice), his news is laughed off, because the monks insist that Shigenobu is resting. Soon Shosuke has disappeared into a crowd and, within seconds, Shigenobu (or is it his ghost?) stands before us, ready to put the crowning touches on a painting. The marvel of Mr. Nakamura’s performance, aside from the charm of his characterizations (particularly the comically put-upon Shosuke), resides in these illusions, which are all the more impressive given the elaborate kimonos, wigs and makeup that define each of his three characters. At one point during a recent performance, Mr. Nakamura even switched roles as two of his characters collided in one of the theater’s aisles, just a few feet away from me. I still couldn’t tell you exactly how the feat was performed.・・・

記者が「早変わり」の凄さを表現しているところが面白いですね。

総評としては、今年のリンカーンセンターフェスティバルの中では、当に「祝祭」的な素晴らしい出し物であったことは確かな様でした。


3度目のニューヨーク公演、「夏祭浪速鑑」「法界坊」と来て今度の「乳房榎」・・・、高度な舞台技術と芸術性をしっかりとニューヨーカーの頭に刻み込んだ様です。

※尚、タダでさえ著作権上ギリギリの原文コピーなので、それを拙い翻訳など出来ようも有りません。興味の有る方は、ご自分でお訳し下さい。

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