世界に誇れる「ファンタスティック歌舞伎」

日本が世界に誇れるものは数々あるのですが、歌舞伎もその一つだと思っています。歌舞伎の魅力を挙げろと言われれば、舞台芸術・所作・衣装・役者・舞台装置・歌舞伎音楽…、何を挙げてもピカ一なのですが、私が挙げたいのは物語です。

歌舞伎の発祥は、戦国時代から江戸期に遡ります。シェークスピアと同じ時期ですね。シェークスピアの中にも、結構不思議な話は多く存在しています。中でも私は、「マクベス」「夏の夜の夢」「ハムレット」など、魔女や亡霊・妖精などが出て来る話が大好きです。でも、不思議な話を求めたら・・・、歌舞伎だった負けてはいません。

鼓の革になってしまった親を求める狐が出て来る「千本桜の四の切」、破戒宗とお姫様の亡霊が合体する世にも不思議な「法界坊」、更に禁断の同性愛とレイプ犯が忘れられなくなってしまった姫を描いた「桜姫東文章」、そして「四谷怪談」をはじめとした数々の怪談もの・・・。倒錯した性愛を描いたと言えば、あの有名な「三人吉三」・・・、同性愛と近親相姦を切ない恋物語に仕立ててしまうのだから、河竹黙阿弥と云う人も一筋縄では行かないですね。

歌舞伎が描く世界は、「これでもか!」と言うくらいに猟奇的な物語を魅せてくれます。

その中でも、私が、猟奇・倒錯の大スペクタクル・ファンタジーと呼んでいるのが曲亭馬琴作の「南総里見八犬伝」です。

話は序盤からぶっ飛んでいます。安房の国の城主、里見義実は、隣国の安西景連に城を襲われ落城寸前となった時、愛犬八房に「景連の首を取ってきたら、娘の伏姫を嫁にやろう」と言う信じられない提案をするのです。そして、八房は勇んで敵陣へ突入し、見事首級挙げて来る。義実は、始めはそんな約束は反故にしようとするのですが、八房が姫の寝所に乱入すると・・・、なんと「如何に犬相手とは言え、武士に二言があっては行けない」と思い、姫を八房に与える!伏姫と八房は、体の交わりは無かった!?とは、言うものの、何故か八房の子を宿す。如何に、処女懐胎と言えども犬の子を宿した疑いがある以上は生きてはいられぬと、父親の眼前で腹を裂く伏姫!確かに、犬の子は宿していなかったが、腹の中からは8つの玉が出て来る。八つの玉には、尊い儒教の教え「仁義礼知忠信孝悌」の八文字が・・・!
そして、その後、その八つの玉を持った八剣士が、里見家の為に活躍する・・・と云う物語!
如何ですか?このお話し・・・、同性愛や近親相姦と言っても、それは人とひとのお話し・・・、でも「八犬伝」は、犬と人です!そして、そんな関係など無かったかのように儒教のお話しが出てくる!・・・歌舞伎の世界の何と融通無碍な事か!

封建的な江戸時代・・・、庶民の娯楽の王様、歌舞伎の世界では、何とも大らかでダイナミックな絵巻が繰り広げらていました。これこそ、世界に誇れる「COOL」な文化では無いでしょうか。

正月の国立劇場・・・、音羽屋親子の「八犬伝」!木挽町も良いけれど、三宅坂も楽しそうですよ!・・・私は、行きます!
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