この映画で江南を想う「江南ブルース」

ソウルという街は、今でこそ人口1千万人をはるかに越える大都市だが、古くは南山(今ソールタワーが立っている山)の北側に位置する南大門から城壁を廻らした城塞都市だった。
ソウルにとっては母なる大河である漢河も、その当時、この都市に属する川では無かった。更に、その南側と言えば、田畑や原野が広がる街とは無縁の土地だった。

江南(カンナムスタイルのカンナム)と呼ばれるこの地域の開発が始まったのは1970年代・・・、それほど昔の話ではない。
朝鮮戦争が終わって強権的開発独裁政権の当時、増加する人口問題と、あまりに「北」に近いソウルが、漢河を越えて南に拡大する事は必然だった。

(ソウルが如何に「北」に近いか・・・、身近な例えをすれば、東京をソウルと見立てたとき、横浜~町田~立川のラインの西側にあの国が有るということです)

その開発の過程・・・、特に土地の取得や売買に、所謂「反社会的勢力」が介在したことは、想像に難く無い。日本でも、バブルの時代はそうだった。

画像


物語は、そんな時代の江南が舞台。

孤児院を出てから廃品を回収して生き延びていたジョンテ(イ・ミンホ)とヨンギ(キム・レオン)は、いつしか兄弟の様に生活を共にする。

 しかし、そんな二人も、貧民街の開発によって住むところを奪われ、結局、暴力団に雇われる身となる。
 そんなある日、野党の大会を妨害するために起きた暴力団同士の抗争に身を投じる。
 抗争のなかで離ればなれになった二人は、3年後・・・、漢江以南の・・・今で言う江南の開発を競う暴力団の敵と味方に分かれて再会する。

 暴力団の先兵として、必死に成りあがって行こうとするジョンテとミンホ・・・、二人の義兄弟の契りはどうなったのか?

 これが、ストーリーだ。明らかに、香港ノワールや深作・北野の系譜を受け継ぐ「正統派バイオレンス映画」、・・・結末も決してスッキリしたものではない。

 格闘シーンは、角材や鉄パイプ・・・、そして手斧まで動員したヘビー級の残虐シーンが満載。飛び道具は散弾銃やショットガン!
 更に、SEXシーンは、何のロマンスも感じない野獣の様な行為の連続・・・

 「花より男子」「シティーハンター」「シンイ」の人気男優イミンホの映画初主演!なんてキャッティフレーズに誘われて来たマダムたちの何人かは、来る場所を間違えたと思ったかも知れない。

 韓国映画を侮ってはいけない。テレビで出来ない事をするのが韓国アクション・ノワールである。

 泥まみれの格闘、凄惨なリンチ・・・、「ケジャシキ」なんてセリフは可愛いもの・・・あの「シバラマ」まで飛び出す。

 韓国では、この映画に200万人以上が詰めかけた。昨日の新宿シネマートは、9割以上がマダムだったが、恐らく韓国では7割以上が男性だっただろう。

 ・・・韓国映画には、力が有る。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック