歌舞伎座「四月大歌舞伎」

歌舞伎座四月大歌舞伎の初日である。

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 先ずは、仁左衛門さんの「彦山権現誓助剱」から杉坂墓所と毛谷村である。

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 初日と言っても仁左衛門さんにとっては初役ではないので安心して見ていられる。
 この狂言は、毛谷村六助(仁左衛門)による剣術師匠の仇討ち話であるが、歌舞伎に良くある、偶然を因縁で処理して行く「常套手段」が満載の設定である。
 勿論、そこに異議のある人は歌舞伎を楽しむ資格の無い人であるから何ら考慮する必要が無いが、この六助と云う人物の天真爛漫ぶりは何だとろう?と疑問を呈したくなる。

 しかし、そんなお人好しで、よくもまあここまで生きて来れたものだと呆れてしまう主人公も、仁左衛門さんの好演もあって、「まあ、良いか!」と納得させられてしまう。
 これは、仁左衛門さんが得意とする上方狂言の「つっころばし」と言われる人間像に通じるものが、この六助という役柄には有るからであろう。
 「こんなんで大丈夫か?」と思わせる人物を演じさせたら仁左衛門さんは天下一品である。

 さて、問題は新作狂言「幻想神空海-沙門空海唐の国にて鬼と宴す-」である。

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 夢枕獏さんの人気ファンタジー小説を原作とする。
主人公は空海(染五郎)・・・、舞台は唐の都長安である。空海は、密教の奥義を窮めるため、この地を踏むが、野心家の空海は、密教の本山青龍時で、修行僧では無く「客分」として扱われる機会を狙っている。
 そんな折、都では化け猫騒動が勃発して青龍寺も手を焼いているという話を聞く。空海は、この騒動を解決しようと友人の儒学生橘逸勢(松也)と共に「物の怪」に立ち向かう。
 
 物の怪を操るのは、楊貴妃(雀右衛門)の父親・黄鶴(彌十郎)の弟子・白龍(又五郎)・・・、その黄鶴こそ玄宗皇帝を娘・楊貴妃の色香で迷わせた張本人である。そして、その楊貴妃も存命であるという情報も・・・

 謎を解く、空海と橘のコンビが丁度「ホームズ&ワトソン」の様で絶妙!空海の時代と楊貴妃の時代はかなり離れてはいるが、そこはファンタジーの世界でそれを無理と言っては行けないのであろう。

 但し、この人間関係が複雑だ。話の半ば、この楊貴妃&黄鶴父子と玄宗皇帝の因縁話を義太夫で語る場面が有るが、これが解り難い。・・・後で、筋書きを読んで分かったが、「前もって読んで置けば良かったのに・・・」と思う。確かに、歌舞伎の様式として義太夫がストーリーテラーの役目を担う事は有るが、新作の狂言でこれ程義太夫が重きを置くとは・・・、油断していた。此れは明らかに「ワンピース」や「野田版もの・・・」とは違う。高麗屋恐るべしだ。

 そんなこんなで、全編中華風ではあるが、セリやボン・スッポン・花道と云った歌舞伎の装置を駆使し、煌びやかな衣装と染五郎&松也の新鮮なコンビで描くファンタジーは見どころ満載で有った。今一つ、人間関係が分かる平易な解説を織り交ぜれば、中々の作品となって行く可能性を見た。

 桜咲く時期・・・、玄宗皇帝時代の幻想的な世界に夢を見るのも一興でしょう。

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そう言えば、数寄屋橋・・・、交番横の桜の向かいに、あのロッテ・デューティーフリーで有名な、東急プラザ銀座店が輝いていました。
 これから、銀座は増々「爆買い」の聖地となって行くのでしょう。ここで一首・・・空海が 密教求め 海を越え 今唐人(からびと)は 何を求むか? 

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