7月大歌舞伎千穐楽

26日の火曜日に、海老蔵・猿之助の7月大歌舞伎午前の部を見物してきた。

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先ずは、柳澤吉保の「出世~破滅まで」を描いた『柳影澤蛍火』だ。

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注意しなければならなのは、狂言は全くのフィクション・・・、悪人に描かれる事が多い柳澤の内面にフォーカスを当てた人間ドラマとなっている。

・・・とは言っても、主人公は柳澤吉保・・・、人気の無い5代将軍に取り入って出世を遂げて行く柳澤を善人と描くを分けには行かず、やはり出世欲に取りつかれた悪人・・・まあ、歌舞伎で言う処の「色悪」の様に描く。

この狂言は、海老蔵・猿之助の共演だが、主役は海老蔵一人・・・、やはり「色悪」を演じさせれば天下一品の成田屋だ。
特に最愛の許嫁であったおさめを、稚児好みの綱吉のもとに小姓姿で送り込むところの哀愁に満ちた「おもい入れ」が良い!別れの場面から、たった数分の見送りの場に盆を回して転換する演出も秀逸だ。海老蔵は体全体からおさめに対する(全くの身勝手ではあるが)思いが滲み出る。

更に、大詰めの「愁嘆場」・・・、そうなったにはそれ相応の理由は有るが、余りにも理不尽な方法で出世を遂げて来た吉保が「最愛」のおさめの最期の言葉から或る程度の人間性を取り戻す場面は所謂「もどり」という場面のようだ。蛍の舞う暗い六義園での柳澤の最期が壮絶ではあるがその悲哀が沁みる。

伊達の十役の時の「実悪」仁木弾正、典型的な「色悪」伊右衛門、そしてこの柳澤・・・、海老蔵は荒事のヒーローを演じさせても天下一品だが、悪役を演じさせても中々右に出るものは居ない。

次第に、海老蔵は歌舞伎界の至宝に近づきつつある。

もう一つは、猿之助の軽妙な「所作」が光る!7月らしい「流星」!短いが、「柳沢騒動」で多少殺伐した舞台であったが、この所作事は中々のデザートであった。猿之助の笑顔は歌舞伎座を幸せな気分にする。

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