ミュージカル「天使にラブソングを」(渋谷シアターオーブ)

 渋谷シアターオーブ5周年記念のブロードウェイミュージカル「天使にラブソングを」である。

 この作品は、25年前にウーピー・ゴールドバーグの主演で大ヒットした同名映画のブロードウェイ版である。ストーリーはそのままに、音楽をディズニー映画(「美女と野獣」「アラジン」など)で数々のヒットを飛ばしたアラン・メンケンが担当し、プロデュースを映画版のウーピー・ゴールドバーグが行っている。

 クラブ歌手のデロリスは、ギャングのボス、カーティスの愛人。しかし、そのカーティスの殺人現場を偶然にも目撃してしまい、命を狙われることに。一計を案じた警官のエディは、彼女を資金難で潰れそうな修道院に匿ってもらうことにする。外界と遮断された修道女たちの中に、自由奔放に生きて来たデロリス・・・、修道女達が編成する聖歌隊を指導する役目を担ったデロリスは、お世辞にも上手いとは言えないその聖歌隊を素晴らしいゴスペル風のコーラス隊に変身させる。

 カトリックの修道院と本来プロテスタントの宗教音楽であるゴスペルは相いれないものが有るはずだが、それを持ち前の明るさとパワーで融合させてしまうアフリカ系の「歌姫」デロリス・・・、典型的なアメリカのおとぎ話が軽快で力強い音楽によって繰り広げられる。

 この作品を見ると、人はなぜブロードウェイミュージカルに魅せられるのかがよく分かる。基礎的な技術に裏打ちされた歌唱力とアクターとしての才能に溢れた役者たちの全力の表現は、舞台と客席の一体感を生み出す。使われる楽曲も一つひとつがチャートインしても可笑しくないほどに素晴らしい。そして、衣装や転換といった演出も素晴らしい。ここには、オペラや歌舞伎と並ぶくらいの完成されたエンターテインメントが存在する。

 特に、この舞台で使われた作品のテーマソングとも言える、「take me to heaven」・・・、目の前で官能的なheavenと文字通りの神の世界が交錯する。

 さて、初めて訪れたシアターオーブ・・・。いつも思うのだが、いつまで芝居小屋は観客に苦痛を与え続けるのか?多くのシネコンが座面や客席の間隔といった基本的な快適性を追求して進歩してきているが、劇場の客席にはその進歩のかけらも見えない。戦後、日本人の体格は向上し、その大柄になった大人達が高齢化を迎えている。映画館と比べて決して安くない入場料を取るのである。この観劇環境は何とかしてほしいものだ。

 更に、このシアターオーブの立地である。渋谷ヒカリエと言う食事とショッピングを主体としたビルの上に出来たホール・・・、当然、芝居がはねると2000人にも及ぶ人間がエレベーターやエスカレーターに殺到する。特に、買い物客は、突然エスカレーター前に出来る列に困惑する。・・・やはり芝居小屋は地面の上が良い。



画像


画像


画像


画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック