堂々のグランドホテル・スタイル「オリエント急行殺人事件」

 原作も読み、監督:シドニー・ルメット、出演:ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール、ジャックリーン・ビセット等々・・・、大スターを擁した1974年版を見ている者にとっては、「ケネス・ブラナーさん!お手並み拝見」と言った処だったが、流石にシェークスピア作品を多数手がけていただけあって、最新の映像技術を使いながらも重厚感あふれる作品に仕上げてくれた。流石である。

 グランドホテル・スタイル(環境や境遇が違い、関係性も無い人々が同じ空間を共有しながら、一つの事件に巻き込まれて行く展開)といっても、結末や純然たる主役であるエルキュール・ポアロの存在も考えれば、その分類は正しくないのかも知れないが、全く物語を知らない人にとっては、話は、そのスタイルで進行して行く。

 確かに、原作や旧作品のファンにとっては、結構派手に動くポアロ像や女優の「格」と言ったことに拘れば、一言もふたこともあるのではあろうが、物語の時代背景はしっかり守り、展開を現代的なスピードに合わせた点は評価できると思う。

 恐らく、この作品を見る者の多くは、原作を読んでいるか、旧作品を見てるか、或いはその両方であろう。それを考えると・・・結局、この作品を評価するに相応しい人は、全く初めてアガサの世界に触れる若い人たちなのかも知れない。映画は、そうやって進化してして行くのであろう。


 さて、本題とは無関係だが、映画の冒頭、ポアロが、エルサレムで、ある秘宝の盗難事件を解決するシーンがある・・・。(これはネタバレしても良いだろう・・・)、容疑者は、キリスト様・ユダヤ教・イスラム教の聖職者・・・、ところが、ポアロの暴いた事件の犯人はイギリス人の警官だったという顛末。あまりにタイムリーな設定が可笑しかった。現代なら、差し詰め、犯人は、アメリカ人の大富豪で、片手間に政治家もやっている下品な成金と言ったところだろう。



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