納得の「シン・ゴジラ」

 
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 私は、ゴジラに関して、勝手に「五禁」を設けている。

 1.ゴジラは人を殺しては行けない
 2.ゴジラは走っては行けない
 3.ゴジラはものを食べては行けない
 4.ゴジラは正義の味方では無い
 5.ゴジラは、役者が演じなければならない

  以上の5つだ。

 先ず、1である。確かに、ゴジラは人間に甚大な被害を与えて、多くの人間を死に追いやっているが、それは結果論でなければならず、人間を殺そうとするような振る舞いをとっては行けないと言う意味だ。

 2と3はローランド・エメリッヒの「GODZILLA」に対する思いだ。ゴジラは恐竜では無い。破壊神である。生物を越えた存在だ。

 4は、ゴジラがいつの間にか正義の味方となり、息子まで出来てしまい、全くの子供向けヒーローになってしまった時代に対する思いだ。

 5は、ゴジラの動きの問題だ。「人は、神に似せて造られた」と言われる。ゴジラは破壊神である以上逆もまた真なりである。

 さて、今回の「シン・ゴジラ」はどうであったか?・・・合格である。

 当初、その幼体と思しきものが現れた時のは、ネズミと爬虫類が混じった様な、なんだか子供騙しの生物に見えて心配になったか、成体となってからは十分に納得の行く姿を現してもらいホッとした。

 さらに、成体へ「脱皮」する過程も、流石!エバと進撃の巨人の監督が手掛けただけあってその「ドロドロ振り」はゴジラの新境地を開いてくれた思いだ。

 今回のゴジラは私が求める五の禁を全く犯していない。・・・そう言うと、今回のゴジラはスーツアクターでは無くCGだ!と言う声が聞こえるが、それは問題では無い。今回のゴジラはCGだが、モーションキャプチャーを野村萬斎氏が担当している。・・・れきっとした役者が演じているので問題は無い。


 次に、物語だ・・・、まだ、公開中なのでネタバレは控えたいが、面白いのは、政治がこの未曽有の「災厄」に対してどのようにコミットするかである。・・・法律の壁、権限の壁、縦割りの壁・・・、日本の政治が持つ多くの問題が噴出しながらも何とかその範囲の中で事に対応しようとする政治家たちの姿が興味深い。・・・これが民主主義と云うモノであろう。

 自衛隊の描き方も納得がゆく。・・・基本は、引き金を引く瞬間まで行き届いたシビリアンコントロールと人命尊重。前々回の都知事選に立候補した空幕のどなたかの様な非常識な人間は出て来ない。

 メカニカルな部分も良い!陸海空の最新兵器から、新幹線やJRの電車、そして数々の「働くクルマ」まで大活躍する所が、大人から子供まで楽しめる!

 キャストは・・・、数々の政治用語や官僚用語、そして科学用語が飛び交って、役者の心が入り難いセリフが多くて大変だと思ったが、そこはゴジラが主役・・・、あとは全て脇役だと思えばそれで十分だとも言える。そんな中で、ひとり気を吐いていたのは余貴美子さん演じる防衛相!目力がゴジラ並みだった!

 一昨年公開されたハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」の出来が余りに良かったので、「大丈夫か日本?」と思ったが、決して負けてはいない。・・・心配なのは、前出の数々の「政治の壁」に対する理解度である。これがクリアされれば、世界で勝負できるゴジラが出来たと言えよう。
 
最後に・・・、エンディング・・・、伊福部 昭さんの手掛けた名曲が流れた時には・・・痺れた!
 

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